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住まい再考

【095】 「アウトドアー」


春が帰って来たことを桜が知らせてくれています。今、桜の花に人々が寄り集い、木の下で春の野外の素晴らしさを満喫しています。

壁に囲れ、天井に覆れた室内のような窮屈さがない自然の一隅だから開放感も一際です。

本来、日本の住まいの空間は開放的に構成されていました。床まで開く障子、深い軒の出、縁側等です。このように開放された庭との一体感によって、日本人は室内にいながらにして自然との触れ合いを楽しむ生活をしてきたのです。

一方、壁が多く、窓の小さな西欧の住まいには、日本のような開放感はありません。内と外とが遮断・分離され、住まいの内部から望める外部の自然が遠い存在なのです。そこで、テラス・バルコニー・ベランダ・サンデッキ等を設け、そこに出て自然との触れ合いをもったのでした。

今日、我が国の住まいも洋風化によって、彼等と同じ方法をとり入れ、より積極的に自然を享受しています。

テラス 地面の一部を一段(20センチメートル程)上げた床面をテラスといいます。建物の開口部に接して室内の延長として使用する場合と、建物から離して庭の中に設ける場合があります。夏は日蔭をつくり、冬は太陽をいっぱい受けるように、テラスの一部又は近くに落葉樹を植えたいものです。広さは、少なくとも戸外用のテーブルセットが置ける程度は必要です。

バルコニー 二階以上の窓辺や出入口に突き出したスペースをバルコニー(露台)といいます。もとは窓の小さい建物の窓辺に取りつけ、花の鉢植え等を置いたのが始まりです。バルコニーに屋根をつけたものをベランダと呼んでいます。

サンデッキ 地面より一段上げて造られた木造の床です。水はけが良いように簀の子板を張ります。日光浴などのために寝ころがるのは最適です。

ぬれ縁 日本古来のもので、部屋の外部に取りつけられ、庭への上り下りや、腰掛けて日向ぼっこや夕涼みなどに使われました。

昔から自然との触れ合いを豊かにして来た日本人です。野外料理やだんらんの場等として、住まいの外部をより有効に使う発想が、今日の狭い宅地を生かした日本的な生活方法だと思います。
降幡廣信