
住まい再考

寒さが本格的になりました。
寒い朝、私達はまず外の様子を窺って寒さや天候の様子を知り、一日の心の備えをします。そんな時、カーテンの隙間からそっと外を覗こうとします。外の寒さに少しでも触れたくない気持ちからです。夏の朝、勢いよくカーテンを開け放つのとは大きな違いです。
さわやかな朝の窓越しの風景が、一日をどんなに明るいものにしてくれるか知れません。そんなとき窓を覗く心もときめきます。暗い雨の朝、木枯らしの吹き荒ぶ朝、雪化粧の朝というふうに、二度と同じ日のない今日の一日を、窓が朝の風景を通じ教えてくれるのです。私達も今日を占うために期待をもって窓を覗きます。
このように窓越しの印象から一日の生活がスタートするのです。
寒い冬から考えれば、窓は小さいにこしたことはありません。窓の面積が大きければ大きいほど、外の気温と寒そうな気配が室内により多く忍び込むことになるからです。ですから冬に設計の打合せをすると、ついつい開口部を少なくする話になってしまうのです。
しかし、窓には外を覗く以外に、採光・通風・換気という大事な役目があります。特に日本の気候は温度の高い時に湿度が上がるという厄介なところがあって、どうしても通風のための広い開口部が必要になるのです。
ヨーロッパなどでは温度の高い夏場は乾燥する気候のため、窓は小さくても構いません。日本より暑い中東やアラブでは、外部の熱気を入れないために極端に窓を小さくしています。これも外気が乾燥しているからできることです。
日本も窓からの寒さを防ぐのに、カーテンに頼る時代から二重サッシやペアガラスを用いる時代になりました。寒さの厳しいヨーロッパ北部などで使われてきた機密性の高い窓が、日本でも使われるようになりました。
機密性の高い暖房効率の良いサッシには遮音の効果もあって、住まいの内容を豊かにしてくれます。しかし、日本においては過剰装備に映り、無骨な印象にもなりかねません。日本の風土には軽快なものが似合います。それとどのように調和させるかが日本の生活を快くする鍵となるでしょう。
降幡廣信














