
住まい再考

最近の住宅団地を見ると、平屋建てに対して二階建てがずいぶん多いのに気付きます。二階建てには部分二階と総二階がありますが、特に総二階的な住宅が多くなっているようです。その理由として、①宅地事情、②洋風化が考えられます。
①につては、狭い敷地に住宅を建てて余地を少しでも多く残したいとすれば、二階建てにせざるを得ません。特に総二階は効果的です。敷地のゆったりした田舎より、宅地の狭い都市の方で多いことを見てもうなずけます。
②については、洋風住宅が総二階に似合うということがあります。逆に言えば、狭い宅地が洋風化を招いているとも考えられます。その理由は、隣接する狭い宅地では、開放的な和風より壁が多く閉鎖的で容易に見通されない洋風の方が適していると考えられるからです。
このように、二階建てが増えている中で見て思わされることは、二階建ての外観は総じて形が取りにくく難しいということです。
理由は、一つには総二階は西洋的で、日本の気候風土には必ずしも合っていない。これは軒が浅い(庇が短い)上、高くて広い壁面が、日本の強い日射し、多い雨、強風にむき出しになっていることの、不自然さです。もう一つは、部分二階は一階の屋根と二階の壁の関係、上下のバランス等複雑な要素が加わるためにまとめにくいのです。
こういう気候に合わせて、日本の住まいは深い軒を持って、日射しや雨、風から家を守る工夫がなされているのです。洋風住宅との外観の違いもむべなるかなです。
二階の歴史をふり返ると、鎌倉時代の末期の寺院に住宅用の二階や三階が造られ、後の時代の金閣や銀閣にその姿が伝えられていると言われます。一方庶民の二階建てでは、矢張り狭い敷地を有効に用いるために都市の町家に作られ発達した歴史があります。
今日も昔の町家の二階の姿は、京都の市内に見ることができます。厨子二階と呼ばれるもので、一階に瓦の庇がついている低い二階です。道路面にはむしこ窓という、壁土で塗った太い格子窓がついています。太い格子で二階が閉鎖的になっているのは、当時身分の低かった町人が、自身の立場を考えて往来の人を見下さない配慮からだと言われます。
そんな伝統からでしょうか。日本ではどこかにひかえ目な趣がある二階建てが似合うようです。
降幡廣信














