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住まい再考

【133】 「雨戸」


わが国の住宅に本格的な戸が登場するのは、飛鳥時代です。それは「唐戸」と呼ばれる中国から伝えられた開き戸でした。

奈良時代につづく平安時代の寝殿造りでは「蔀戸」と呼ばれる格子付板戸ですがこれは吊って開閉する方式です。

寝殿造にかわって登場する書院造では舞良戸と呼ばれる引き戸が用いられます。舞良戸外部には横桟や縦桟が何本も用いられ、意匠と格式を表現しています。

雨戸は舞良の格式や意匠は不必要でしたから、骨を内側にして外部は水はけの良い板張りです。雨戸が日本に登場したのは、室町時代の末か、桃山時代のはじめ頃だろうと云われています。それまでは舞良戸を障子の外側に立てていました。それが、昼間は全部どこかへしまってしまえる画期的な雨戸ができたので、内部は開放感と明るさとで大きな変化をもたらした筈です。

その雨戸にも同様な進歩の跡がうかがえます。今日の雨戸は、縁側の外側に一本溝の一筋という鴨居、敷居をとりつけて、そこを滑らせるのが一般的です。要するに縁側を室内に取り込んでいるのです。しかし、雨戸を障子のすぐ外側に取りつけ、雨戸の外に縁側を設ける時代もありました。また、敷居の端に戸袋を取りつけて戸袋の中へ雨戸を滑らせるのが今日の方法ですが、昔は、いちいち雨戸をはずして、離れたところの戸袋まで戸を運んだという方法もありました。日本の雨戸と戸袋の縁側は、昔から大変に関係が深く、三者の扱いには大変神経が使われ、日本の住まいの外観にも豊かな表情をもたらしてきました。この日本的な美しさは、他のいかなるものでも代えることはできません。

今日の新しい雨戸は、材料が金属になり、新しい方法が採用されています。主な方法として次の三種類に分けられます。
○シャッター方式
○横引きシャッター方式
○雨戸一本引(昔の雨戸の方式)
雨の多いことが、日本の住まいに様々な特徴をもたらしていますが、雨戸はその最たる物と云えましょう。
降幡廣信