
住まい再考

暑い日が続きます。夏の一日では、午後の最高気温が朝からの関心事です。今日は何度位になるだろうかと。それはその暑さが夜に引き継がれて、寝苦しい夜にもなるからです。そんな厳しい夜を過ごしている多くの人々に同情します。
この夏も、夜の涼しい自然の風を通しながら、さっぱりとした、畳の床で眠れる素晴らしさを味わいました。一方、同じ場所で、ベットの夏の夜の味わいはいかがなものか、そんな想像をしてみたりもしました。
今日、日本の家庭でベットが使われているところが大変増えました。若い人ばかりではなく老人も、都市ばかりではなく農村にまで及んでおります。
一方、依然として「日本人は畳の上に寝るに限る」といっている人がいます。特に夏の畳の上は格別だというのです。
ベットの特徴は、歩く床に直接寝ないから清潔である。床のほこりを吸わないし、湿気のある床から離れるから健康的であるということでしょう。
しかし、本当にベットが清潔で健康的であるか疑問をとなえる人もいます。毎日シーツや毛布をとりかえて、ベット・メイクすればまだしも、万年床の生活が果たして健康的でしょうか。一晩でコップ一杯の水が布団に吸い込まれるというのですから。さらに、ベットの下は特にそうですが、部屋全体に掃除が行きとどかないというのです。
一方、畳の生活は、畳そのものがとっても優れた床材で清潔さを保ちやすく、毎日の布団のしつらえが布団や畳から、毎日の湿気を取り除き、どんなに清潔で健康的にしてくれているか知れません。
一般的なベットでは体が落ち込んで、体の自由がきかないとか、畳の上のような拡がりがない、という言葉も聞きます。ベット礼賛論者と、畳・布団の礼賛論者がいるのは、両方にゆずれない特徴があるからです。
しかし、ベットの方が体重の移動が少ないため、寝起きが容易であること、睡眠の専用空間がとれる利点があります。
今日、日本の家庭では、幼い子供から親・老人までと広くベットが使われる傾向です。かつて、夫婦・子供が、川の字になってた畳の上に寝ながら親子の親愛感が育まれた、そんな時代がありました。ベットの日常生活が、親と子の間を遠のけなければ良いが、と思えてなりません。
降幡廣信














