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住まい再考

【149】 「照明」


日本シリーズをテレビで見ながら、プロの名手では考えられないエラーの場面をたびたび目にし、考えさせられました。その原因に、ライトが目に入って一瞬玉を見失ったり、ライトの複雑な影が、選手の手元を狂わせたことが想像されたからです。

あの大きな球場を、隅々に至るまで照らして、快適なプレーの出来るようにするのは、至難のことと思います。狭い住まいの中の照明でさえ、どんな場面でも常に快適にする、ということになると、大変難しいことを思い知らされるわけです。

例えば、立っている時は、さして気にならない光源が、場所が変って、下から見上げるとまぶしく感じることになるのもその一例でうs。

野球の落球の原因になるライトが目に入る現象は、まぶしさです。まぶしさは、太陽の光が直接目に入ったり、夜の対向車のライトが目に入った時、光の周囲のものが見えにくくなる現象で、大変、不快なものです。

住まいにおけるまぶしさは、暗い部屋の小さい窓から入る強い光。ギラギラ光るものの反射。光源が直接目に入る時などです。まぶしさを感じるのは、物を見る視線の周囲30度の中に、明るい光源が入った時だと云われます。

室内のまぶしさを防ぐのには、間接照明にするとか、光源をグローブで囲んで光を拡散させることです。又、光を反射する光沢のあるものを避けることです。

暗い部屋で本を読む時、机の上だけを照明すると目が疲れます。本の紙の白さが強調され、暗い部屋の光の方向に目を向けて読むことと同じだからでしょう。部屋全体にある程度の明るさが必要です。

要するに、人の目は、明暗の差の大きい場所をきらいます。明暗の差の少ないやわらかさと、落ちつきを好むのです。

明るさの量は「ルックス」という単位が使われます。日中の戸外は8万ルックス程です。夜の部屋の明るさは、玄関、浴室、便所の50~100ルックス。居間、応接、200~300ルックス。台所200~500ルックス。書斎500~1000ルックス。細かい作業をする所1000~2000ルックス必要としています。

建築基準法によりますと、採光上の窓の面積を床の1/7以上としています。八帖間で一帖強の窓が必要なのです。
降幡廣信