
住まい再考

最近、「新築病」という新しい病気について新聞、雑誌、テレビなどで取り上げられています。新築のマンションや改装したばかりの住宅に移り住み、急におきる体の不調に対する病名です。シックハウス症候群ともいうそうです。
原因は、住宅に使われている新建材から発散される有害化学物質です。それらが空気に混ざって室内に充満し、吸った人に害を与えるのです。このことは、人や家庭に大変深刻な問題を引き起こしています。快適な住まいに生活することによって、幸せを確信して移り住んだのが、全く逆の結果になるとは、困りものです。
この対策については、欧米の方がずっと進んでいて、そういう人達の専門の病院もできています。その病院の内部は、日本の戦前の病院そのままです。そこには現代的な建材類や、格好の良い機器類は何も見掛けません。
新建材対策も進んでいると思いますが、一般の住宅内部が、木材を主とした自然界のものを多く使った新しい住宅を見掛けます。又、高気密より換気を重視しているとも聞いています。建材の害の無い安心して住める健康的住宅を求めているからでしょうか。
さて、この病の病状には色々あるそうですが、セキ込んだり、なぜかイライラしたり、のどが痛んだり、発疹がでたり、又、花粉症などのアレルギー症状が悪化したりもするそうです。外では異常がないのに、家へ帰ったとたん変調をきたすこともあるといわれます。
この病の直接の原因となる化学物質で、特に注目すべきものは「ホルムアルデヒド」です。この水溶液はホルマリンと呼ばれて消毒剤や防腐剤に使われています。合板や家具の接着剤に、壁用クロスや接着剤の防腐剤として用いられています。「トルエン」、「キレシン」は接着剤や塗料の溶剤として用いられています。さらに、木材保存剤、防蟻材も新築病の原因になるといわれています。
住み易く、造り易く、安全な住まいを研究し、たどりついた所が今日の新しい住宅です。しかし、思いもよらないところに落し穴がありました。地球環境問題が叫ばれる中で建築材料の製造に伴うCO2による空気汚染、さらに建材と共にある有害化学物質と、人間環境に対する警告を、建材を通じて突きつけられた思いです。
降幡廣信














