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住まい再考

【162】 「内装材(和紙)」


今、地球環境が大問題になっています。生きものにとって前途は危機的だといわれています。

それは、我々人間が、便利な楽しい生活をし、長生きをしようとした結果、次々に様々な製品を製造して、廃棄物を出し、不要なものを捨てて地球を汚しているからです。中でも住宅がそのことに大きく係わりを持っていることは否めません。新しい住宅の、内外に使われている機器類もそうです。

建築材料を運ぶ時、「地球に優しい」ということを第一条件にすべき時になりました。

その条件にかなった材料で、まず考えられるのが、紙ではないでしょうか。特に日本古来の和紙は大変に優れた建築材料だと云えます。

和紙とは、繊維を叩解して紙素を造り、これを箕で漉き上げるものということです。その原材料は楮(こうぞ)、雁皮(がんぴ)、三椏(みつまた)というような、繊維を多量に含んでいる靭皮(あまかわ)です。それを叩いたりして、繊維以外のものを取り除き繊維のみに解きほぐしたものが紙素なのです。その紙素を水を使って、箕とか網の上に平らな層をつくって乾燥させたののが紙です。単純な素材と単純な工程ででき上がっていますが、その裏で、微妙な配慮が積み重なっていることが創造されます。

日本の伝統的な和紙が、その薄い一枚の中に日本的な美しさと強靭さを持っているのは、○美しい日本山野に生育する優れた草木○美しい日本の水○日本人の繊細な手仕事と誠実さに裏打ちされているからです。

この和紙を日本人は長い歴史を通じ生活の中で使いながら、その変化を確かめ、完成度を高め安心して使えることを実証して参りました。

一方、新しい建材類は、短時間による実験結果に頼るほかななく、和紙のように、数年変化の実証が得られておりません。ですから、思いもよらない問題が発生するのです。昨今の、新築病と云われるものも、全く予期していないことでした。

和紙の建材としての特徴は、軽くて扱い易い、面積が自由になることが挙げられ、継ぎ合わすことも容易です。又、丈夫で肌ざわりが良い上、美しさがあります。そして何よりも、地球を汚さない等、多くの利点を持っています。

建築材は、人体から心にまで及ぼす効能を考えて使用しなければなりません。その点から、和紙は大変優れた内装材と申せるでしょう。
降幡廣信