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住まい再考

【189】 二十一世紀に思う


二〇世紀と決別して、新しい世紀を迎えました。正月三箇日の新聞を見て、以前と違って特に目を引いたのは、地球が直面している深刻な健康状態です。その地球の健康を回復する方法を今探っていることを伝えていました。地球が健康でなくては、人類に未来はありません。しかし、この一〇〇年の間に地球環境は随分悪くなってしまったのです。

戦後五〇年、日本は豊かさと快適さをひたすら追い求め、夢にも見なかった程の便利な安楽な生活を得たのでした。かつて、囲炉裏や火鉢で手をかざし暖をとっていた当時は、家具らしきものもない殺風景な日本の部屋でしたが、今日では、冷蔵庫は元よりカラーテレビに冷・暖房器、贅沢な家具が所狭しと納っている時代になりました。五〇年前、誰一人、こんにちの日本を予想できた人がいたでしょうか。しかし、このような豊かさや快適さの代償として、かつては考えられなかった難しい問題が、今、我々に突きつけられているのです。特に石炭・石油・ガス等の化石燃料の使い過ぎがもたらした、地球を取り巻く二酸化炭素の濃度の増加です。これによって地表の熱が宇宙に発散されにくくなって地球に温暖化がもたらされています。これが人類の将来に赤信号を灯しているのです。

生活の豊かさ快適さの代償は、さらに使い捨てによる想像以上の生活の塵や産業廃棄物をもたらしました。これらの産廃物の量も経済成長と共に増加し、今は塵の捨て場もなくなってしまったという深刻な事態に立ち至っているのです。

平和で豊かに暮らせて、心身共に健康であるのなら、万々歳です。しかし、豊かな生活を手に入れたのに、常識では理解できない新しい犯罪や社会問題が多発しています。豊かで恵まれている先進国に犯罪が少ないはずが、逆に多く、最も豊かであるアメリカの犯罪が他に較べ圧倒的だというのです。日本も物質的に豊かになるにしたがって犯罪が増加していると云いますから深刻な問題です。

これらを通じ、二〇世紀に得た豊かさ快適さは、本来の人類の幸せと一致するものではないようです。二〇世紀の残した問題を解決すべく、難しい課題を負わされた二十一世紀はすでにスタートしています。
降幡廣信